真珠の種類(母貝別)

あこや真珠(和珠)

養殖地は日本の南の海、100年程前、御木本幸吉の研究によって初めて養殖真珠に成功。養殖真珠のル-ツとなり、これ以降、真珠が商業の手段となりえた。真珠は3〜9mm台位、上質のものは、丸くて透明感のあるシルバーピンクに輝く。

白蝶真珠(南洋真珠)

オーストラリアが主な養殖地。あこや真珠より50年位遅れ養殖に成功。あこやの4~5倍の大きさの貝で真珠も大きくなり、10~15mm、色はホワイト系でおっとりした輝き、形は丸は少なく楕円、変形がほとんど。大きな雫型は南洋の魅力。金色の真珠も出る。

黒蝶真珠(黒真珠)

タヒチ、フィジ-が主な養殖地、沖縄でも出来る。貝はあこやの3~4倍くらいで、真珠は10~12mm位。色は黒に緑、紫、茶、グレ-などがまじった個性豊かな千差万別の魅力。形も全体にサークルの入ったものが多く、変形が中心。

池蝶貝真珠(淡水真珠)

中国の河や湖が主な養殖地(当初は日本の琵琶湖)、あこやに続いてまもなく生産されたが2000年に入る頃から中国で大きさ色、形ともバラエティーに富むものができるようになり一躍注目を浴びている、海水でできる本来の真珠に比べて非常に安価でカジュアル感がある。貝の大きさはあこやの7~8倍、一個の貝に10個くらいの真珠が養殖でき、取り出しても、また養殖できる。核は外套膜のみ(別項参照)

マベ真珠

養殖地は南アジアの海。貝は烏帽子型の大きなもの。貝の肉の部分で真珠ができる他の真珠とは形態が違い、貝の蓋面に張り付くように半円形の真珠となる。大きさは13~15mm位と大きく、色はシルバーブルーを土台に虹色に輝く。イヤリングが中心でスポーティーな感じ。

その他の特殊な真珠

コンクパール ピンクのコンク貝の真珠。サンゴに似ている。希少で特別高価。一般には出回ってない。
アワビ真珠 あわびの真珠。平たくて濃い虹色の青く輝く珍しい真珠。希少で一般には出回ってない。

真珠の質の評価基準

巻き(真珠層の厚味)

一層がミクロン単位の真珠層が、上質のものは一千層以上重なって美しい輝きをつくる。層が厚くて整然と重なっていると、力強いシルバーピンクの輝きに緑色のような深い輝きもまじって、魅力的な光を創るが、真珠層が薄いと、白っぽい、輝きの無い不透明な珠になる。真珠層の厚味は真珠の魅力の中心である。

大きさ

和珠、南洋 含めて、真珠全体で、丸いものは5mm~12mmくらいが一般的な大きさであるが、その成功率から言っても上質のものは1mm違うと値段が倍になるほどの評価になる。和珠は9mm以上は急に値段が上がるが上質の指輪珠なら8mmで10万円のものが9mmなら40万円、といった具合である。変形ものは総合的な評価になるが、丸いものは、その大きさを競う傾向がある。

傷の有無

養殖中に形成される自然の傷(くぼみ、しわなど)は、有るのが普通であるが指輪にはふつう傷の無いものが使われる。無傷のものは金額も高いが、アクセサリーへの加工過程で金具に隠れるような傷は無いのに等しい。また近年は傷は本物の証拠として、おもしろい、ととらえるファッション感覚が増えている。南洋真珠は特にそうである。

透明感

真珠層の細胞がジグザグせず、綺麗に整然と並んでいると、光が真珠の中まで通り輝きに濁りが無い。

照り

真珠の表面の珠膚が滑らかでキメが細かく真珠層の輝きを良く放射する状態を照利が良いという。